改製原戸籍とは?
改製原戸籍とは、法改正前の旧様式の戸籍を指します。戸籍制度はこれまでに何度か改正されており、現在の様式に変更された際に、それまでの戸籍が「改製原戸籍」として保存される仕組みになっています。
相続手続きなどでは、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を取得する必要があるため、改製原戸籍を取得する場面が多くあります。
戸籍謄本との違い
戸籍謄本は現在の戸籍を指し、一組の夫婦と未婚の子どもが記載されます。一方で、改製原戸籍には過去の戸籍の情報が記載されており、法改正前の様式で作成されています。
例えば、昭和22年の改正以前は「家」が戸籍の基本単位であり、家族全員が一つの戸籍に記録されていました。その後の改正により「夫婦単位」の戸籍へと変更されたため、改製原戸籍を見ることで過去の家族関係を確認することができます。
改製原戸籍が必要になるケース
改製原戸籍は、以下のような場面で必要になります。
相続税申告や不動産の相続登記などの相続手続き
被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要となるため、過去の戸籍を確認する目的で取得します。
法定相続人の確定(家系図の作成)
先祖調査を行う際に、過去の家族関係を知るために取得されることがあります。
年金や保険、名義変更などの手続き
受給資格の証明や家族関係の確認のために提出が求められることがあります。
改製原戸籍の取り方
取得できる人
改製原戸籍を取得できるのは、基本的に以下の関係者です。
- 本人
- 配偶者
- 直系尊属(父母・祖父母)
- 直系卑属(子・孫)
- 兄弟姉妹やその他の親族が取得する場合は、特別な理由が必要になります。
なお代理で請求する場合は、委任状の提出が求められます。
必要なもの
改製原戸籍を請求する際には、以下の書類が必要です。
- 交付申請書(窓口または自治体のホームページで入手可能)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証など)
- 手数料(1通につき750円)
- 委任状(代理人が請求する場合)
請求場所
改製原戸籍は、原則として本籍地のある市区町村役場で取得できます。
ただし、令和6年3月1日から戸籍証明書等の広域交付が開始され、最寄りの市区町村役場でも取得できるようになりました。ただし、取得できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の分のみで、兄弟姉妹やその他の親族の戸籍を取得する場合は、本籍地のある役所へ請求する必要があります。
請求方法
窓口での請求
市区町村の役所・役場の戸籍担当窓口で請求できます。申請書に必要事項を記入し、本人確認書類を提示のうえ、手数料を支払います。
郵送での請求
本籍地が遠方にある場合は、郵送での請求も可能です。郵送で請求する場合は、以下の書類を本籍地の市区町村役場に送付します。
交付申請書
本人確認書類のコピー
定額小為替(手数料分)
返信用封筒(住所・宛名を記入し、切手を貼る)
代理人が請求する場合は、委任状を同封する必要があります。
オンラインでの請求
現在、改製原戸籍はオンラインでは取得できません。コンビニ交付サービスを利用できるのは、最新の戸籍謄本のみです。
改製原戸籍の取得にかかる費用と日数
改製原戸籍の取得にかかる費用は、1通につき750円です。窓口で即日交付される場合もありますが、郵送請求では1〜2週間程度かかることが一般的です。役所の繁忙期や書類の不備がある場合は、さらに時間がかかることもあります。
改製原戸籍の取得における注意点
保管期限に注意
平成22年の法改正により、改製原戸籍の保存期間は150年に延長されました。しかし、それ以前に保存期間が経過したものは、すでに廃棄されている可能性があります。取得できるかどうかは、本籍地の市区町村役場に確認が必要です。
広域交付の対象外のケースがある
代理人が取得する場合や、兄弟姉妹の改製原戸籍を取得する場合は、広域交付の対象外となり、本籍地の役所に請求する必要があります。
相続手続きで早めに取得する
相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍が必要です。特に転籍を繰り返している場合は、改製原戸籍を複数の役所に請求しなければならないこともあるため、早めの対応が重要です。
まとめ|改製原戸籍は正しい方法で取得しましょう
改製原戸籍は、法改正前の古い様式の戸籍で、相続手続きなどの際に取得が必要になる重要な書類です。
本籍地の市区町村役場で取得するのが基本ですが、令和6年3月1日以降は広域交付も可能になり、利便性が向上しました。ただし、代理請求や兄弟姉妹の戸籍取得など、広域交付の対象外となるケースもあるため注意が必要です。
相続手続きでは改製原戸籍が不可欠になるため、早めに取得の準備を進め、スムーズに手続きを進めるようにしましょう。
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