相続手続き

相続税申告は自分でできる?専門家に頼めばいいか判断の基準をわかりやすく解説

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相続税申告は自分でできるのか?4つの判断基準

相続税申告は、遺産の種類や相続人の状況によって大変さが異なります。自分で申告できるケースもあれば、難易度が高く専門家の助けが必要なこともあります。ここでは、相続税申告を自分で進めるべきかどうか判断するための基準を解説します。

自分で相続税申告がしやすい例

法定相続人:少ない
遺産内容:現金・預貯金、上場株式のみ
相続人同士の揉め事:ない
手続きに割く時間:ある

自分で相続税申告が難しい例

法定相続人:多い
遺産内容:複雑な土地や未上場株式を含む多様な財産
相続人同士の揉め事:ある
手続きに割く時間:ない

法定相続人が少ないか

法定相続人が1人であれば、遺産分割協議書を作成する必要がないため、自分で申告しやすいといえます。しかし、多数の相続人がいる場合は協議書作成や分割の話し合いが必要で、これがトラブルの原因になることもあります。トラブルがある場合は専門家への相談も検討した方がいいでしょう。

遺産内容が分かりやすいか

遺産が現金や預貯金だけの場合は、申告が比較的簡単です。一方で、複雑な土地や未上場株式などが含まれる場合、その評価額を正しく算出するには専門的な知識が必要な場合があります。例えば、土地は「路線価」や「倍率方式」に基づいて評価されますが、形状や立地条件によって補正が必要なことがあります。

相続人同士の揉め事がないか

話し合いがスムーズに進まない場合や意見が対立する場合は、第三者である弁護士や税理士を交えて解決を図ると良いでしょう。

手続きに割く時間があるか

銀行や役所での手続きは平日の営業時間内に行う必要があるため、時間に余裕がある人向けです。平日に動けない方は、手続きが進まないため税理士、司法書士、行政書士に依頼する方がスムーズです。

相続税申告を自分で行うメリット

自分で相続税申告をするメリットについて詳しく解説します。

税理士報酬がかからない

税理士に相続税申告を依頼する場合、報酬として数十万円から場合によっては数百万円かかることがあります。一方、自分で申告すれば税理士費用はかかりません。
ただし、過少申告や申告漏れがある場合、過少申告加算税や無申告加算税などのペナルティーが発生するリスクがあります。その結果、追加で多額の税金を支払う羽目になることもあるため、注意が必要です。

自分のペースで進められる

自分で相続税申告を行う場合、すべての手続きを自分の都合に合わせて進めることができます。税理士に依頼する場合、打ち合わせの日程や連絡のタイミングを調整する必要がありますが、自分で行う場合はそのような制約がありません。
特に、平日の夜や休日しか時間が取れない場合など、自分のライフスタイルに合わせて進めたい方にとっては大きなメリットです。

相続税申告を自分でやった場合のリスク

相続税申告を自分で行うことにはメリットもありますが、リスクも存在します。自分で申告するか、専門家に依頼するかを検討する際には、以下のリスクについても考慮しましょう。

相続税を多く納め過ぎてしまう可能性がある

相続税に関する知識が不十分なまま申告を進めると、申告すべき財産が漏れる、財産の評価額を正確に算出できない、控除や特例を適用し忘れるなどの可能性があります。その結果、本来より多くの相続税を支払うことになる可能性があります。

時間と手間がかかる

相続税の申告期限は、相続が発生したことを知った日から10か月以内です。期限内に、相続税申告では以下のように多くの手続きが必要です。
・相続財産の洗い出し
・必要書類の収集
・財産の評価額の計算
・各種申告書の作成
必要書類を集めるためには、銀行や役所、法務局などへ行く必要があり、特に平日しか開いていない窓口では対応が困難な場合もあります。
多忙な方は申告期限に間に合わくなってしまう可能性があります。

(補足)税理士に依頼しないと税務調査が入りやすいという事実はありません。

税務調査は、多額の相続財産がある方に多い傾向があり、その中でも申告書に誤りがある場合や多額の財産漏れの可能性が高いと見込まれる場合などに税務調査が入ります。そのため、税理士に依頼したとしても、上記のような場合には、税務調査が入るリスクは高いでしょう。

おわりに:まずは「そうぞくん」を無料で試してみてください

相続税申告は、相続する財産の種類や状況によって、自分で進められるケースと専門家の助けが必要なケースに分かれます。
自分で進める場合に税務署に相談することも一つの手ですが、対応範囲は限られており、相続税の評価額の計算や具体的な節税対策については対応してもらえません。
そのため、まずは無料のサービスで自分で相続税の申告ができるか検討してはいかがでしょうか。

そうぞくんは、相続税の申告書を簡単に作成することができるWEBサービスです。
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是非、ご利用ください。

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この記事を書いた人
白井 佑弥 公認会計士・税理士

大学卒業後、有限責任監査法人トーマツで約7年勤務したのち、2017年に独立開業。
税理士 / 公認会計士
白井佑弥公認会計士・税理士事務所 代表
日本公認会計士協会東京会 業務委員会委員
経済産業省認定 経営革新等支援機関

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